韓国経済:雇用は静かに流出していく……自動車工場は20年以上新設なし……

【社説】静かに海外に流出していく韓国の雇用(中央日報)
「韓国を離れます…気楽に事業をしようと」(中央日報)

盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時の2006年、当時の李秀永(イ・スヨン)韓国経営者総協会会長が記者懇談会で「(労働関連法案が)労働界寄りに進むことになれば企業もストライキする可能性がある」という発言をした。続いて「(企業家のストライキは)路上でするのではなく、静かに事業を整理して外国に出ていく」とし「企業家の『無言』ストライキのために企業は気づかれずにこっそりと消え、そのために失業者が多い」と述べた。非正規職法など企業の負担を増やす法案を相次いで発議した当時の政界に不満を吐露したのだ。

10余年が過ぎた今でも状況はそれほど変わっていない。昨年、繊維会社の京紡と全紡が国内工場の閉鎖や海外移転を決めた。今年に入ってからは韓国GMが群山(クンサン)工場を閉鎖し、韓国撤収の可能性を示唆しながら政府・労組と交渉中だ。

しかしこのように「騒がしく」消える雇用ばかりではない。李秀永元経済人総連会長の言葉のように「こっそり」消える雇用はもっと恐ろしい。昨日の報道によると、フォーチュングローバル500大企業に入る韓国大企業7カ所の2010-2016年雇用現況を調べた結果、この期間の国内の職員数は8.5%増、海外の職員数は70.5%増だった。サムスン電子はこの期間、国内職員を減らし、海外の職員は10万人以上も増やした。 (中略)

結局、海外に流出する雇用を減らすには企業の経営環境を改善する正攻法しかない。雇用問題を解決するための正解はすでに以前から出ているが、政府は財政を注ぎ込んで過ちを繰り返している。もどかしさを感じるしかない。

(引用ここまで)

スマートフォンや自動車電装部品用カメラモジュールを生産するM社は最近ベトナム・ニンビン省地域に1万8000平方メートル規模の第2工場を完工した。完工式にはベトナム政府要人から協力会社50社の関係者まで数百人が参加した。この会社はこれに先立ち2013年に同地域に5万9000平方メートルの生産基地を作ってベトナムに初めて進出した。当時1500人に達した現地雇用規模は現在4300人まで増えた。今回の第2工場が稼動すればこの数ははるかに大きくなる見通しだ。

M社関係者は「安い人件費は営業利益率を高め、政府の全面的な支援と相対的に少ない厳格な規制環境は企業経営を気楽にさせてくれる。韓国で事業を展開する理由はない」と話した。
(中略)

延世(ヨンセ)大学経済学科のソン・テユン教授は、「政府の雇用政策は『民間投資規模と雇用の数は正比例する』という認識から始まらなければならない。企業に負担を負わせる政策を相次いで出しながら韓国国内に投資して雇用を作れというのは実現不可能な注文」と話した。

企業が海外に目を向ける背景は重層的だ。単純に値段が安い人件費だけでなく、「起業する環境」も海外進出をあおる。世界経済フォーラム(WEF)が2016年に評価した韓国の規制環境は138カ国中105位を占めるほど劣悪だ。米国(29位)、日本(54位)、ドイツ(18位)に比べ大きく遅れている。
(中略)

硬直した労働環境と強硬な労組も雇用減少の原因に挙げられる。30万件の雇用がかかった韓国GM問題が代表的だ。韓国GM労組は15日、(構造調整を通じた正常化を主張する)会社側の要求は受け入れ難いとし、(金属労組が下達した)基本給5.3%の引き上げを骨子とする労組案を出した。労組が苦痛分担に出ず自分たちの利益だけを得ようと出たことで韓国政府も支援に出る名分を探すことができなくなった。クムホタイヤ正常化も1万7000人の雇用がかかっているが労組は14日に「海外売却反対、未払い賃金支給」を主張してストに入った。

(引用ここまで)

 正常化が叫ばれていたクムホタイヤ、けっきょくダブルスターへの売却に反対して労組はストに入ったとのこと。
 韓国GM労組については、このあと基本給凍結は受け入れたのですが、その他の労組案は噴飯物だったというのは既報。
 それ以外にも定年を65歳に延長して、かつ年1%の昇給を確約しろっていう要求もしたそうです。
 ちなみに会社の業績がどのようなものであろうと1%の昇給枠は守られるべきもの、なんだそうですよ(笑)。

 で、フットワークの軽い業者はすでに韓国を捨てている状況。
 韓国国内でも最古の企業として数えられる繊維企業の京紡全紡はともに韓国から脱出を決めています。
 さらにいえば韓国国内で最新の自動車工場って実は韓国GMが閉鎖しようとしている群山工場で、1997年に設立されたものだったりします。
 つまり、20年に渡って韓国では新規工場が建設されていない。
 韓国には完成車製造企業が5つもあるのですが、そのどこも韓国国内に工場を建設しようとしなかった。まあ、ラインの更新なんかはあったでしょうけども。
 その間、ヒュンダイ・キアは海外に工場を作りまくっていたのです。中国への投資額とか異常なんじゃないのって思えるほど。
 これ、もはやひとつの答ですよね。

 オーストラリアなんかも最低賃金を一気に上げて、企業が撤退する例が続出したのですが。
 あの撤退をとことんまで嫌がるトヨタすら撤退せざるをえない状況になったっていう。
 それでもオーストラリアは資源国なのでやっていけるのですよ。どうしたって富はオーストラリア国内から生まれてくるものなので。
 でも、韓国はそうではない。
 ちなみに日本も。

 そんな中、3年で最低賃金を1.5倍にする。
 しかも大企業には補助なし。おまけに法人税も上げちゃったりする
 韓国メディアからは「壮大な経済実験をやっているような場合ではない」とかいう声が挙がっていましたが、実験というにはもう行く末がほとんど分かりきっている状態。

 ムン・ジェインは改憲して大統領任期を4年2期までにしようとしていますが、この任期延長は現役の大統領には及ばないのですよ。かつての軍事政権下で改憲で大統領任期を伸ばしまくっていた影響で、そのような規定があるのです。
 なのでムン・ジェインは5年だけで降板するのが確定しているのですが……。永世大統領になってほしいくらいの人物ですよ。なんとか5年の任期だけでも全うしてほしいものですね。

魅了する 科学実験
早稲田大学本庄高等学院実験開発班
すばる舎
2015/8/24


Source: 楽韓Web